山作業について

 

「育林」、「山作業」という言葉を聞いても、具体的にどんなことをするのかイメージできる人は少ないでしょう。
では、山作業とは実際にどのようなことをやっているのでしょうか。


まず、大前提として。自然を守るとは一体どういうことなのでしょうか。人間が全く手をつけずに自然をありのままの状態にしておくのが、自然を守るということなのでしょうか。そう思っている人も多いと思います。しかしながら答えは違います。人間が手を加えないありのままの自然が必ずしもよいとは言えません。人間が手を加えることで自然が保全されることだってあるのです。
たとえば、現在問題になっている問題として里山の保全があります。かつて(エネルギー革命以前)は、人間が近くの山から薪(まき)などをとって燃料に使っていました。そうすることで、自然のサイクルの中に人間の薪をとるという行動が組み込まれ、その場所の生態系は維持されてきました。ところがエネルギー革命以後、人間が燃料を電気やガス、化石燃料に頼るようになっていくと、次第に山から薪はとられなくなり、生態系が崩れ、山が荒れ始めるという問題が発生しています。

さて、本題の思惟の森の会の山作業についてです。私たちの山作業は、七滝山とオマルペ山という2つの山を中心に行っているのですが、この2つの山は、70~80年代に思惟の森の会が植林したスギやアカマツの人工林になっています。これも大前提なのですが、人工林において木は植林するだけでは育ちません。現在、日本全国で高度経済成長期以後に植林された若い人工林が手入れされずに、荒れた状態になっているという問題が起こっています。
では、人工林の育林にはどのような作業が必要なのでしょうか。必要な作業は、主に間伐枝打ち下草刈りの3つです。


間伐
植物を育てた経験がある人は、間引きという言葉を知っていると思います。間伐は、この間引きを木に置き換えたものだと考えてください。若い樹木は生長するにつれてどんどん横に太っていくので、近くの若い樹木同士が養分を奪い合って、生長が抑制されてしまいます。また、木と木の間隔が密になると、土に降り注ぐ日光の量が減少して、土壌を安定させる下草が生えない暗闇の森になってしまうのです。すると、十分に養分が行きわたらなくなった木は次第に弱っていき、「緑の砂漠」と呼ばれるような、雨風で倒れる弱い森林となってしまいます。森林を健全な状態に保つために、細かったり、曲がったりしているような木をノコギリやチェーンソーを使って伐ってあげるのです。
余談ですが、この間伐作業は生態学的にみると、攪乱(かくらん)という作用を引き起こします。この攪乱で木と木の間に隙間を作ることで、多様な生態系を生み出すのです。この話はまたどこかで。


枝打ち
枝打ちは主に秋に行う作業で、長い枝打ちノコを使って枝を切り落とすことをいいます。この作業を行わないと、枝ばかりが太って幹に十分な養分が行き届かないだけでなく、節のあるデコボコした木になってしまいます。また枝打ちには、間伐と同じように、適度に日光を取り入れて安定した土壌を保つという役割もあります。

 

下草刈り

特に植えたばかりの若い木は、定期的に周りの下草を刈ってあげなければいけません。大きい木とは異なり、下草に養分を奪われて必要な養分を十分に摂ることができず、生長が遅れてしまうからです。木が生長すると日光が適度に遮られて下草もあまり生えなくなるので、ある程度の大きさに育つまでは重要な作業です。主に夏に行い、雑草だけではなく低木を刈ることもあります。

 

もっと詳しく知りたい人はこちらも参照してくださいね。

作業系ラボ

 

では、最後に森の会と田野畑村の繋がりを見てみましょう!

森の会と田野畑村の関係